ブログ
2017年11月21日 [歯の話]
歯周内科とは
皆さんこんにちは。
東戸塚エリアの皆様の口腔内の健康維持・増進を担う歯科、東戸塚デンタルクリニックの院長 江口です。
今日は、「歯周内科」について、お話いたします。
歯周病は、その原因となる歯周病菌が歯ぐきや周囲の組織に感染することで起こる歯科疾患です。歯周病菌に感染すると歯ぐきが炎症を起こし、出血や腫れなどの症状があらわれます。また歯周病菌は歯を支える骨(歯槽骨:しそうこつ)をも破壊するため、ついには歯を失うことにもなりかねません。
そのため歯周病を治すためには、まず口腔内の歯周病菌を取り除いていくことが重要になります。
その方法の1つが器具や機械を用いて物理的に歯周病菌を取り除く方法です。具体的には毎日の歯磨きに代表されるプラークコントロールや、歯科医院でプロが行うクリーニング(スケーリング・ルートプレーニング)がこれに当てはまります。
そして歯周病治療にはもう1つ、歯周病菌を薬によって殺菌、除去していく内科的な治療法があります。
この薬剤を使用する治療法は「歯周内科治療」と呼ばれ、新たな歯周病治療として近年注目を集めています。
歯周病の原因菌を特定し、薬を使って個々の菌にアプローチする
歯周内科ではまず、様々な検査を通して口腔内の歯周病菌の種類を特定します。そしてそれぞれの菌に作用する薬剤を選択し、歯周病菌の殺菌、除去を行っていきます。
使用する薬剤は主に抗菌薬(抗生物質)や抗カビ剤(抗真菌薬)です。薬剤の投与方法には、内服薬を一定期間服用する方法や、薬剤が配合された洗口液や歯磨き粉を使用する方法があります。
歯周内科のメリット
従来のような歯周病菌を物理的に除去する治療法は、同じ治療を行ってもその効果や治るまでの期間に個人差が生じてしまいます。これは患者様によって感染する歯周病菌の種類が異なるためで、毒性の強い歯周病菌に感染している場合は、症状の改善までに長い期間を要してしまいます。
歯周内科ではこのような毒性の強い歯周病菌に対して直接アプローチすることができるため、治療期間を短くできる点がメリットの1つです。また薬剤によって歯ぐきの状態をある程度改善することで、その後の治療(クリーニングなど)に伴う痛みを軽減できるのも良い点といえるでしょう。
⇒ 次回はお口の中の歯周病菌を検査するについてお話します